秘密の鎖


コポポ…とお湯を注ぎ入れる音が心地よい。

鼻歌でも歌いだしそうなくらい機嫌よくコーヒーを淹れていると、そんな私を眺めていた夕月さんがぽつりと言った。


「さっきのヤキモチ?」


「はぁっ!?」


勢いよく夕月さんの方を向いた拍子に、ガチャンッと派手な音をたててコーヒーを淹れていたカップが倒れてしまった。


「あつっ!!」


熱いコーヒーがもろにお腹の辺りにかかって、茶色いシミが広がるとともに熱さも襲う。



やっちゃった……



「あーあ、何やってんだか」


私のブラウスに広がるシミを見て、夕月さんはソファから立ち上がって傍に来た。

恥ずかしいのと悔しいのとで、私は顔を赤くする。


「夕月さんが変なこと言うからだよっ!」


そう言い訳した私に、タオルを手にした夕月さんがぴくりと眉を跳ねさせた。


「変なこと?」


夕月さんのその顔にドキッとして固まった私に、夕月さんは手を伸ばしてきた。


コーヒーで濡れて貼り付いたブラウスの上から、ポンポンとタオルで拭いてくれる。