秘密の鎖

「俺を騙してまでデートに行きたかったの?」


「ちがっ……」


騙す、だなんて。


でもそう言われて、私は騙すようなことをしたんだということに気づいた。


ちょっとした誤魔化しのつもりだったのに、それは夕月さんを騙すことだったんだ……



「ごめんなさい…夕月さん」


私はお箸を置き、両足をきちっと閉じて膝に手をやってしょんぼりとした。


「嘘つくつもりなんかなくて……夕月さんに本当のこと言えなかったんです。嫌われたくなくて」


「嫌われたくない?」


なぜか夕月さんも私と同じ格好で話を聞いている。

顔はしっかり上げているけど。


「だって、お、男の子と一緒に泊まったとか、フシダラだし!」


私の言葉に夕月さんがぴたりと固まって、私もついでにぎくりと固まる。


「え、泊まったのって絢香って人と?」


「う、ううん、うん」


「どっち?」


「……絢香とです」