秘密の鎖

私は疲れた顔で立ち上がり、ソファに移動した。

ぽふっとソファに腰を下ろし、柔らかなクッションを胸に抱く。


「それはそうとさ」


夕月さんはそこで一息ついてコーヒーを飲んだ。


何だろう、と首を傾げる私。


「折角だし、この機会にもう敬語やめない?一緒に暮らしてるのに堅苦しいよ」


一緒に暮らしてる、ってとこに少し赤くなってしまった。

意識してしまうと、どうしても。


「う、うん……」


そうだよね、家の中で敬語って確かに堅苦しいかも。

こくりと頷いて了解すると、夕月さんはにこっと笑った。

その笑顔にギクリとする。


「あ、ついでにお兄ちゃんって呼んでね」


「はああ!?嫌ですよ」


私が反抗すると、夕月はいたずらっ子みたいに笑った。


「ほら、敬語~」


「あ」


そういえば、と口元に手をやった。

でも、いきなり敬語をやめろって言われても、そんなに簡単にやめれるものじゃない。


しばらくは慣れそうにないけど、気をつけとこ……