「何かあったの?お父さんったら・・・。」
私が聞くとこう言った。
「金・・・。」
何を言っているのかわからなかった。
もう一回尋ねた。
「鐘?」
お父さんは首を横に振って言った。
「宝くじに当たってしまった・・・。」
「え?あぁ、そう。
・・・?えっ?あ?えええええええぇえ?!」
お父さんは少し困った気な顔をした。
「お父さん!すごいじゃない!!」
私は喜んだ。「いままでのお父さんも借金が返せる」って思ってたから。
「・・・いや・・・だから・・・ごめん・・・」
お父さんは顔を下にやったまま止まった。
「・・・?お父さん・・・もしかし・・・」
私の言葉をさえぎるように
「俺が!・・・当てた金だよな・・・!!だから・・・いつもみたいに騒ぐなよ・・・」
聞きたくない、言わないで・・・と願ってもいいことなのか悪いことなのか
時間はくるくる回っていく。
「全部使った。文句あるか」
急いでお父さんの部屋へ走った。
こんな奴だってわかってたのに僅かに期待してしまった自分が恥ずかしくて情けなくて。
お父さんの部屋はホテルのスイートルームみたいになっていた。
見た感じ、500万くらい使ったのだろうか。
もう無駄だと思った。
これから自分はどうなるのだろうか、お母さんが可哀想でたまらなくなった。
ちょうどこの日、お母さんが入院した。
おばあちゃんも駆け付けた。
お母さんは過労で倒れたのだと医師は言っていた。
そして、お母さんは過労の原因と離婚した。
