「――買い物にも便利がいいし、静かだし、それに女性限定だから今度は安心よね?」



「はい。…あ、麻由さん、お茶入りましたんでどうぞ?」



ベランダに出ていた麻由さんが戻ってくる。



「だけど大変だったわね? 大事に至らなくて本当によかったわ。
こんなに可愛い妹さんがいたら侑介さんも気が気じゃないでしょう?」



「ええ…まぁ。でも綾乃にはナイトが2人もいるみたいなんで安心してます」



「ナイト?」



「侑兄!(//△//)」



「いいじゃないか、おまえの上司と部下の武勇伝を別に麻由さんに話しても」



侑兄はすっかりあたしのために夜中の3時まで張り込みをしてくれていた西崎さんと福嶋くんのことが気に入ったようだ。





――2日前の深夜遅く、あたしの部屋に入り下着を盗んでいた犯人が捕まった。



犯人はなんとお店のお客様じゃなくて、あたしが住んでいた部屋の真下に住むアパートの管理人さんだった。



38歳の独身男性で、名前は新谷-シンタニ-さん。



3〜4ヶ月前に部屋に取り付ける火災報知器の案内をもらったときに、玄関先でちょこっと話をして以来、頻繁にゴミ出しの際や出かける際に計ったように部屋の外で会う機会が多くなった。



今思えばあたしの部屋の真下に住んでいたからあたしが出かけていくのはバレバレだったんだなって思う。