綾乃≫≫≫疑惑の2人





「よしっ、だいぶと見れるようになったな?」



パンパンっと手をはたいて侑兄は手を腰に当てる。



「んーっ…久々に力仕事したなぁ」



まるでフラフープでもしているかのように器用に腰を回す侑兄はほんと中年親父みたい(笑)



「侑兄は頭使う仕事だもんね。たまには運動しないとメタボになっちゃうよ?」



「もうすでになってるし。見るか? 俺のビールっ腹」



「いいよ〜もう〜」



侑兄が突き出したお腹をパンチしたときだった。



――ピンポーン…



「あ! 誰か来た!」



あたしはバタバタと玄関に行く。



ドアを開けると大きな紙包みを抱えた人が…



…?



ひょいと紙包みの向こうから顔を出した。



「こんにちは。綾乃ちゃん」



「麻由さん!? どうしてここが?」



あたしの声が聞こえたのか侑兄が玄関にすっ飛んできた。



「こんにちは麻由さん。すみません。重かったでしょう? 言って下さったら下まで取りに行ったのに」



侑兄は麻由さんが来ることを知っていたかのような口ぶりだ。



どういうこと?