「――ねぇねぇこっちは? 派手かな?」



週末、海に行く約束をしたので水着を買いにきた。



「んー…俺はもっと…この…紐の部分とかが細めのが利便性があって」



「何でデザインとかを重視しないで利便性を考えんのよ!」



結局、俺の意見は聞き入れてはくれず、どこか端に追いやられていた間にユリカは水着を買っていた。



もしも結婚したら先が思いやられそうなほど情けない画だったと思う。



後からどんなのを買ったんだ?と聞いたけど、頑として教えてくれなくて当日までのお楽しみということになった。



それから昼飯を食って午後からまた街をぶらぶら歩く。



するといきなり、前をフラフラと危なげに歩いていたじーさんがぶっ倒れ、周囲が騒然となった。



医者のたまごであるユリカが診たところ熱中症らしい。



ユリカの応急処置のおかげでじーさんは助かり、後から来た救急車でいちおう病院に搬送されたがすぐに退院する運びとなったらしい。