あのあと川本くんと別れて車を取りに行ったあたしはいったんウチに帰って中番で出勤した。



福嶋くんは早番でいったん帰るのは面倒ということでいつもより早めの出勤となって今に至るんだ。



昨夜はほとんど寝てないせいか、あたしたちは一日中あくびのうつし合いばかりしていた。



そんな至って平和だった1日も3分の2が過ぎ…



夕方5時半、そろそろ日も傾き出して事務所の窓からはオレンジ色の西日が眩しいほど差し込んでくる。



「店長、お電話でーす」



福嶋くんと再来月の新作発注書についてあれこれ議論していた時だった。



三沢さんが子機を持って事務所にやってきた。



「ありがとう。誰から?」



「…それが一応聞いたんですけど『店長さんお願いします』って一点張りで」



三沢さんの顔が曇る。



「男の人? 女の人?」



「男の人です」



「何だろ…クレームかなぁ」



はぁ…苦手なんだよね、クレーム処理(=_=;)