――10時半頃。



村瀬にやっと連絡がついて、昼飯の下ごしらえをしてからタバコを買いにコンビニに行った。



その帰り道のことだった。



自宅マンションから数百メートル離れた場所に見知った車が停まっていた。



何となく嫌な予感がして歩みを遅くすると、しばらくして中から夜中に出て行ったままの恰好の村瀬が出てきて、村瀬を乗せていた車はそのまま走り去った。



笑顔で車を見送り、俺のマンションに向かって足どり軽く歩いていく村瀬。





――今の車、福嶋の車だったよな?





やっぱり…



2人は今までいっしょにいたんだな?



ずっと…



夜中から今までの間…






村瀬が俺に嘘をついたことが決定的となった瞬間、なぜかぎゅっと胸が締めつけられて足に杭でも打たれたようにその場をしばらく動くことができなかった。