「…ってーなぁ!! だから灰皿で殴んなよ!? マジで死ぬだろーが!!」



「ふっ…福嶋くんが、やっ…やらしいこと言うからじゃない!」



「俺がいつやらしいこと言ったんだよ?」



「さっ…さっき言ったじゃない。あああたしの耳元で///」



「●♂♀●と●♂ピーッ♀●のどこがやらしいんだよ」



「キャーキャーキャー(*/ω\*) 朝からそんな放送禁止用語連発しないでよ///」



「…ったく。放送禁止なのはお前の脳内だけだろうが。こんなの朝じゃなくても昼でも夜でもちまたには溢れてる単語だっつーの。今こうしている間だって世界中のあちこちで何百万何千万何億人って男女が●♂♀●してんだよ。村瀬おまえもそのうちいずれ誰かとするんだよ」



「やっ…やだ/// ははは恥ずかしいこと言わないでよっ(->_<-)」



「恥ずかしいことじゃねぇよ。…やらしいことでも。


……本気で愛し合ってたら恥ずかしいことでもやらしいことでもない」



「……」



「…おまえにもいつか分かるときがくる。

相手に触れられること、相手の体温、汗、匂い、息遣い。

すべてが愛おしいと思える瞬間が。

愛おしくてたまらないと思える瞬間が。

女としての悦びを感じる瞬間が。

いつか必ず分かるときがくるから。

だから●♂♀●をやらしい行為だと思うな」



ぽんと優しく頭の上に手を乗せられる。



あたたかい福嶋くんの眼差しが逸らせない。






――どうしてだろう?



さっきまで暴れ回っていた心臓が今は嘘のように落ち着いてる。



不思議だな、福嶋くんといるとジェットコースターに乗ってるような気分になる。



ドキドキさせられっぱなしで、でも最後は乗り終えたときのような安堵感に包まれる。



どうしてこの人は、こんなにもあたしをドキドキさせて、最後には安心させてくれると同時に優しい気持ちにさせてくれるんだろう?