隼人≫≫≫奪い取ってやる





『…な…に…言ってるの? え…本気で言ってるの…? 冗談だよね?』



「……」



『何で黙ってんの? 何か言ってよ!?』



「…ってぇ。…ったくおまえのキンキン声、頭に響くんだよ。もう少しボリューム落とせよ」



『そんなこと言ったってこんなの平静ではいられないよ! ねぇ大丈夫なの!? 何でそんなことになったの!? どこ刺されたの!? ってかあたしなんかにメールする前に救急車呼びなさいよ!!』



「…あーマジ頭に響く。ちょっと落ち着けよ。大丈夫だから」



『ほんとに大丈夫なの!?』



「ああ…腕をちょっとな。ざっくりやられただけだから」



『腕をざっくりって…血は? 血はいっぱい出てるの!?』



「止血はしたけど一応縫わねぇと悪いかもな」



『もうっ…何でこんな…こんなことしてないで早く病院行ってよ……グスッ』



「泣くなよ」



『泣いてなんか…グスッ…』



「泣き虫。





………電話で泣かれたら………拭ってやれねぇだろ。





おまえの涙」