綾乃≫≫≫真夜中のSOS





ね、眠れない…



小早川さんに出会った一昨日からとにかく頭を悩まされることばかりで、おまけに昨晩はほとんど寝てないっていうのに、どういうわけか目が冴えて眠れない。



AM2:22分――



携帯を開いて時間を確認する。ゴロンと寝返りを打った。



眠れない理由は西崎さんのウチに泊まっているという緊張もあると思う。



だってひとつ屋根の下に西崎さんがいるんだもん。



西崎さんと同じ空気を吸って、西崎さんの匂いに包まれてるんだもん。



夢みたいな話だよ。



初めて西崎さんと食卓を囲んで、いっしょに食器を洗って、テレビを見ながらくつろいで。



そんなずっと憧れていた恋人同士がするような体験を、思わぬ出来事から体験することになってしまって。



そして…



西崎さんのウチのお風呂を借りるという、最も緊張する体験――。



別に付き合ってるわけじゃないんだから、お風呂上がりに甘い時間が待ち受けているわけはもちろんない。



それでもボディソープからシャンプーまで何から何まで西崎さんと同じ香りがする自分にはつねにドキドキしっぱなしで。



お風呂上がりに西崎さんと飲んだお酒もほとんど味が分からなかったし、全然酔うことができなかった。