「――あっ、やっと帰って来た!」



西崎さんとの電話を終えて店に戻ってくると、むさ苦しい男だらけだったテーブルに女が3人増えていた。



「イェーイ! これがウチの大学きっての色男でーすっ! ま、2年で中退したけどねーん」



テンションMAXの広田にぐりぐりと頭を撫でられて、あげく頬にブチュ〜と吸い付くようなキスをされた。



「ほっとけよ!」



「中退した理由は目標をなくしたから♪ コイツさぁ、スーパー経営のお嬢様んとこに本気で婿養子に入るつもりで大学入ったんだぜ?」



「広田!」



「何だよ、いいじゃねーか♪ もう昔の話なんだし。笑い話だろっ♪」



「……。勝手にしろ!」



ホント広田の酒癖の悪さは昔から変わってない。



どーせこの女どもも他のテーブルで飲んでたのを引っ張ってきたんだろう。



何が幸せメタボだよ。



妻子がいんのにナンパしてんじゃねぇよ。



むしゃくしゃしながら席についてジョッキに残ってたビールを一気に飲み干した。






――その後は心がささくれ立っていたせいか煽るように酒を体内に流し込み、



そうしていつしか…



記憶が途切れていった――…。












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