村瀬がここまで料理下手だとは思わなかった。



7月から俺の助言を受けて料理教室に通うことにしたらしいけど、絶対に賢明な判断だったと思う。



はっきり言わせてもらうとこのレベルじゃ嫁のもらい手なんかあったもんじゃないだろう。



正直俺も一瞬頭ん中で葛藤したし;



『お粥作ってあげるね』って言われて小一時間、最終的にコイツ(質素なロコモコ)が出てきたときは;



…つかレトルトコーナーうろついてたならレトルトのお粥の存在に気づけや。



なぜに“サ●ウのごはん”と“ポケモ●カレー”のみ買ってくんだよ(呆)



つーか弱ってる人間に“ポケモ●カレー”とはいえ刺激物食わそうとすんなや。



そもそも“ボ●カレー”や“クク●カレー”なら分かるけど、なにゆえ23過ぎた男に“ポケモ●カレー”買ってくんだよ。まずそっからがおかしいだろ(呆)







今日の昼過ぎ――店でぶっ倒れて村瀬に支えてもらいながら近くの病院に行った。



検温すると熱が39度3分もあった。



今朝からダルくて仕方のなかった身体を引きずり出勤したものの、気温は高いのになぜかやたらと寒くて寒くて仕方がなかった。



診察の結果、ウィルス性の風邪だと言われ点滴を受けて帰った。



帰りの車内、感染しないようにがっちりマスクでガードした村瀬と、たまたま同じことを思ったのか同時にぽつりとつぶやいた。





「「西崎さん…」」





犯人は西崎さんだと確信した。