陽菜が言うには、旦那も不倫をしているということだった。



『…身勝手よね、私…。自分だってこんなことしてるのに…』



『…陽菜のせいじゃない。俺が陽菜を巻き込んだんだ』



罪悪感に苛(さいな)まれる。



俺が、優花に似ている陽菜を陥れて強引に関係を持ったんだ。



陽菜を心から好きだったわけじゃない。



陽菜の向こうにただ優花を見たかっただけなんだ。



自分の欲求を満たすためだけに陽菜を利用したんだ。



『…慧吾くんの責任じゃないわ。私にすべて責任があるの』



もともと陽菜の旦那は浮気癖がひどかったらしい。



陽菜は結婚当初からそれを思い悩んでいた。



俺が陽菜に初めて関係を迫ったときも、陽菜は旦那の浮気に悩まされていた。



『…私に隙があったの。その隙に慧吾くんを入り込ませたのは私の責任だから。慧吾くんが責任を感じる必要はないわ』



『…陽菜』