「ちょっ……」 「俺、ちゃんと元気だから。」 その言葉に、安心した。 だましたのは許せないけど… 結局、また家まで送ってきてもらったあたし。 しかも抱き上げられたまま。 誰かに会ったらどうすんだ! って感じだったけど、 家までの道のり、誰にも会うことなく玄関までたどり着いた。 「あ、の……」 「浅葱」 「はい?」 「……いや、なんでもない。おやすみ」 そう言って、あたしをおろすとくるりと後ろを向いて歩いて行ってしまった。