ま、マジでか?その瞬間、俺の脳裏には麻帆の顔が浮かんだ。
……会える。
麻帆に、会えるんだ。
「なにニヤけてんだ、荒嶋」
永松が睨みながら言った。
「んなっ。ニ、ニヤけてなんかねぇし!!ただ、久々に家に帰るなぁって思っただけ……」
「お前、まさかマザコン?」
「んなわけねーだろ、あほ。永松も家に帰るんだろ?」
「……気が向いたら帰る」
ぼーっと風にそよぐ木を見上げた永松。
「何だそれ。たまには帰れやっ」
「ちび達がうるさいんだよ」
「お前兄弟いんの!?」
「兄貴1人、弟が2人で妹が1人」
って大家族かよっ!


