「2番ショート、風山くん」 アナウンス後、3年生の風山先輩が泥まみれのユニフォームに包まれ、バッターボックスに立った。 試合は3回表。 1アウト三塁の0対0。 攻撃は俺たち花龍高校。 「風山先輩っ!」 隣からシゲさんの声が聞こえた。 両手を握りしめながら強い眼差しで、先輩を見つめるシゲさん。 あぁ、シゲさん……本当に格好良いです。 カキーンッ ボールが放たれる音がした。 ベンチにいた者は全員立ち上がった。