3年間思ってた。声援は嬉しいけど、言葉の意味をよく考えると批判的な考え方をしてしまう、と。
それでも俺たちのために、必死に演奏してくれる人がいて、声が枯れるくらいに声援を送ってくれる人がいる。
遠方からわざわざ来てくれたり、横断幕を一生懸命に作ってくれたり、俺たちへのエールの練習をしてくれたり。
甲子園のスタッフ、警備員それに審判だって、こんな日照りの中、俺たちと戦ってくれている。
そう考えると、キリがない。俺たちに関わってくれている人全員、戦ってるんだ。そんな人達を、批判するなんて…最低な俺。
俺は再びバットを構えた。今度はボールよく見た。
「ボール!」
だけど、そんな最低な俺が今出来ることは、花龍を甲子園の頂上に立たせること。
優勝旗を俺たちの手に掲げることなんだ。


