「は、はいっ!」 指名されたあたしは綿タオルを頭にかぶり、面をつけた。 「うわぁあさぽんだよっ。栞先輩が相手だけど頑張って!」 隣から藍がわくわくしながらあたしに言った。 栞先輩はここの剣道部でも強い方だ。だけど……負けたくない。 「うん。頑張るね!」 あたしはそう言って、竹刀を手にして立ち上がった。 そして栞先輩の前に立った。