「おい倉橋、大丈夫か?気迫が足りんぞ」 職員会議が終わった監督が声をかけてきた。 「大丈夫です!すみませんっ」 あたしは竹刀を握りしめ、さっきより強く振り落とした。 ブンッ 汗が額を滴る。 ブンッ 熱気の中竹刀が空(くう)を斬る。 好き。 この感覚大好き。 剣道が、好き。 「よーし、10分休憩。準備をしておくように!」 急いで水道へ向かう。 「あ゙ー……おいしーい」 あたしは水を体内にいっぱいいっぱい蓄えた。