「…なぁ、永松」
「あ?」
「あの星、きれーだな」
再び寝っ転がった俺たち。夕暮れの空に光る星を眺めた。
「麻帆も見てるかな?」
「気づかないんじゃね?部活してたら」
クラスの剣道部の女子が言っていた。麻帆の学校の剣道部は全国大会に出場を決めた、と。そして
『主将このコだよー』
と、麻帆を指差し、麻帆達が写っている写真を見せた。剣道着に身を包んでいる麻帆は、一段と凛々しくなっていて…胸がドキドキした。
俺、全然麻帆のこと忘れられてないじゃんと実感した。同時に俺も頑張らなきゃって思った。
振り向いてもらえるように。立派な彼氏になれるように。
「彼女、明日見に来ねーのか?」
「来るわけないだろ。甲子園まで遠いし」
「勇姿を見せられず残念だな」
「うっせー」


