いつもとは違う場所だが、俺たちは河原に来ていた。ここは俺たちが泊まるの宿舎から近い。
「もう最後かー」
草っぱらにどかっと寝っ転がってみた。草の匂いが俺の鼻を伝う。
「意外に早かったな」
珍しく永松も草っぱらに転んだ。大の字で空を見上げる俺たち。散歩をしている人がじろじろ見てくるけど、気にしない。
「永松、明日震えんなよ?」
「荒嶋こそ逃げ腰になんじゃねーぞ」
「バーカ。永松の貴重な球が受けられるのに、逃げられるかよっ」
憧れなんだよ、お前の球は。だけど永松は言った。
「別に俺は球を取る奴は誰でもいいけど」
「ひでぇっ!!」
今まで永松とバッテリーを組んできて、永松のボールは俺だけにしか取れないと思っていたのにな。俺は小さくショックを受けた。


