大好きな君にエールを






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そして、ついに高校最後の甲子園が開幕した。久しぶりの感触が胸をくすぐる。


帰ってきた。春ぶりだけど、俺の心は昨年の夏のままだ。


シゲさんの代わりにキャッチャーとして出た舞台。あの時の複雑な心境は忘れない。


甲子園に出場できた素直な嬉しさの反面、シゲさんへの罪悪感。


あんな思いはしたくない。自分達の思いをぶつけたいんだ。花龍の試合を見せつけてやるんだ。


1年前に学んだことを無駄にしたくない。絶対に勝ち上がるんだ。


シゲさんの夢を、みんなの夢を、俺の夢を…叶えるんだ。


甲子園に出れなかったシゲさんの想いも1年経った今、ぶつけてやる。



叶えられなかったあの日の夢。



「花龍ーっ、行くぞぉっ!!」


キャプテンの気迫いっぱいの叫びを合図に、本当の夏が始まった。