それからの甲子園までの練習はあっという間だった。
監督には予選前よりも倍にしごかれ、毎日くったくたになった。
だけど毎日笑っていたのは確かだった。汗まみれになっても笑顔を絶やさず、泣いても空を見上げて勇気を取り戻す。
仲間との熱い絆。
監督との熱い練習。
一生に無いこの高校野球は、俺の体全身に刻まれた青春となった。
永松とも、さらにバッテリーの中を深めた。と言っても投げ合い、取り合い、改善点を言い合うことだ。
「体固いぞー」
ストレッチをしても、野球への緊張はなかなかほぐれない俺。だけど永松が言った。
「緊張やプレッシャーを楽しむことも大事だ」
と。
確かにそれはいいな、と笑った。
プレッシャーも楽しみの1つ。野球をさらに楽しめる。
俺の胸は一気に甲子園を映し出した。


