大好きな君にエールを






そして、甲子園出場から一夜明けた次の日。


「行くぞー!!」


花龍のグラウンドにはいつものように、野球部の掛け声が響き渡っていた。


「よーい、ドン!」


練習メニューでは恒例のタイヤダッシュが始まった。タイヤダッシュとは、自分の体にタイヤがついた紐をつないでダッシュするメニューだ。


これはかなり…キツい。体力がないとゴールまでが遠いと1年の頃は思っていた。


だけど3年目になると、馴れてしまうもの。今ではタイヤも自分の体のようだ。


たまに、自分が1年の頃の先輩達が、軽々とタイヤと走っていたのを思い出す。


それだけ努力を重ねていたんだ。毎日の小さな努力が、花龍の勝利に繋がっていたんだ。


そしてその努力を、俺たちが引き継いでいくんだ。