俺は反発しながら、ふと外の景色を見た。もうすぐ夕暮れの時間。空の色が変化しつつある
麻帆、甲子園出場…決めたぞ。
空へ向かって、繋がっているようで繋がっていない彼女へと報告をした。
もちろん返事が来るわけない。だけど、空が少しだけ微笑んでくれた気がした。
その微笑みが俺の『決意』をさらに強くさせた。
そう、俺は予選が始まる前日に決めたことがある。
『甲子園で優勝して、麻帆に想いを伝える』
麻帆にはもう、俺じゃない別な人がいて、寄り添って歩み始めているかもしれない。
あの電話口にいた大塚って奴に気持ちが揺らいでいるのかもしれない。
それでも、いいんだ。
俺の気持ちは変わらないから。
突き放してしまったのは、俺だった。だから何も言えない。
好きだ、と言うのはおかしいかもしれない。


