「ありがとうございましたっ」
また、今日の部活が終わる。最近部活が終わるのが寂しくなってきた。きっと引退が近づいてきているからなんだろうな。
あたしは今日もまた、道場に一礼して道場を後にした。
「あさぽーん」
部室に入るなり藍から呼ばれた。
「前、あさぽんに惹かれたって言ってた剣道部の男のコが、麻帆の姿探してたよっ」
また大塚くん、か。最近は慣れちゃったかな。
「麻帆先輩羨ましいですー!!大塚くんと話せるなんてっ」
後輩が目をキラキラさせながらあたしを見てきた。
「大塚くん、普段は女子と話なんてしなくって。だけどカッコ良いしみんな目がいっちゃうんです」
そんなの知ったことじゃない。あたしには関係ない。てゆうか、あんまり大塚くんの話は聞きたくない。
だって、荒ちゃんに悪いことしているみたいだもん。


