そして、大塚くんに彼氏がいる宣言をしてから数週間が経ったが、
「あ、麻帆さーんっ♪」
未だに、大塚くんはあたしを追っかけてくれている。
「ひーちゃん…」
あたしは隣にいたひーちゃんを見る。ひーちゃんは『しっしっ』と大塚くんを追い払う。
「もーこれは、良と麻帆の2人で話し合うしかないんじゃない?」
「嫌だよっ。荒ちゃん以外の人と2人きりにはなりたくない」
「春貴くんとかとは2人で話すじゃない」
「春貴は幼なじみだし別っ!ねーどうにかして大塚くんを引き離す方法を…」
「ごっめん麻帆。あたし部活だからっ」
そう言ってすたこらと去ってしまったひーちゃん。その姿を目で追っていると、宝賀くんの元へ行くひーちゃんが。おいおい、部活に行くって言ったのは誰だよ。
あたしは小さくため息をついて部室に向かった。


