大好きな君にエールを






「か、可能性なんてないのっ。あたしには彼氏が…」


「遠距離ってめったに会えないじゃないっスか。それに比べて、俺は毎日麻帆さんに会うんですよ?麻帆さんが俺に振り向くのも時間の問題じゃないっスか?」


「大塚くんに振り向くわけないでしょーっ!!」


あたしはぷんっと顔を背けて歩き出した。後ろから「必ず振り向かせますからー」と大塚くんの声。


やめてよ。お願いだからやめて。


あたしには荒嶋康也っていう、最高の彼氏がいるんだから…邪魔しないでよ。


あたしは空を見上げた。うっすらと灰色の雲が現れていた。


何かを予感させるような雲。何かが壊れちゃいそうな、今。


髪をくくっている黒ゴムに手を伸ばした。荒ちゃんがくれた、ハートの飾りがついた黒ゴム。


毎日付けているこの黒ゴムはあたしのお守り。荒ちゃんとあたしを繋ぐ、お守りなんだ。