それからも電車に揺られていたあたし達。何気なく外を見ると、見慣れない景色が映っていた。
「実貴さん、ここどこですか?」
「ふふっ。ここはあたしの故郷だよー。初めて来たかな?」
『はい』と頷き、色鮮やかな緑やあたしの町から続いている空を見上げた。
「あ、次降りるよ。準備してね」
実貴さんの言葉に、身の回りの物を片付け始めたあたし。お財布よし、鞄よし!
プシュー…
すると停車し、ドアが開いた。あたし達はすぐさま降りた。
「えーっと、これからバスに15分くらい乗れば大丈夫かなっ」
実貴さんがバスの時刻表を見つめた。こうやってる今も…左目は見えてないのかな?
「麻帆ちゃーん?あたしをそんな目で見ないでって言ってるでしょ?」
ぺちっと頭を叩かれ『バスが来たよ』と教えられた。あたしは小さくなりながらバスに乗り込んだ。


