『まもなく、発車致しま…』
「待ってください！」
「乗ります乗りまーす!!」
アナウンスを遮り、大胆に電車に乗り込んだ。幸い、乗車人数は少なかった。
「ふぅっ…間に合ってよかった」
実貴さんもあたしもホッとして席に座る。
「ごめんね、麻帆ちゃん。しっかり調べたはずだったんだけど…」
「いえっ。むしろ、楽しい体験をありがとうございました」
ふふっと顔を見合わせて笑った。実貴さんの天然っぷりも拝見できたことだし。
「…あの…やっぱり、どこに行くのかあたし気になります」
あたしはどうしても心を渦巻く疑問を実貴さんに話した。
「そうだよね。ねぇ麻帆ちゃん…聞いて笑わないでね？それに…呆れないでね？」
そう言い、実貴さんが口を開いた。
