荒ちゃんが連絡しない理由は、あたしなんだもん。あたしが…傷つけちゃったからだもんね。
自分から電話、ぶちっておきながらこんな後悔するなんて…ね。
「あれ?…麻帆ちゃん?」
残り2周のところで、誰かに声を掛けられた。あたしは走る足を止めず、足踏みをしながらその人物を見た。
「み、実貴さん!!」
「やっほ♪てか麻帆ちゃん…部活は?剣道部だったよね?」
実貴さんが不思議そうにあたしを見てきた。
「は、はい。実は部活に遅刻しちゃって、それで罰として校外を走ることに…」
「あちゃーやっちゃったね。あ、校外走るのもう終わる?」
「は、はいっ。あと2周で終わります!!」
「じゃあ、走り終わったらココに来てくれる?あ、少しでいいの。ちょっとだけ話したいことがあって」
実貴さんの言葉を受け取り、あたしは走り出した。


