「荒ちゃ…」
「もういいよ。さっきは麻帆の言葉に励まされて、麻帆は俺のことわかってくれたかと思ってたけど…何もわかってないよ」
つい、本音が出てしまった。さっきとは違う…助けを求める本音。
「何それ…意味わかんない。あたしは荒ちゃんが何を訴えたいかわからないよっ。シゲさんを信じてって言ってるのに信じないし」
でも…麻帆からも攻撃的な言葉が下った。
「麻帆に…麻帆に俺の気持ちがわかるわけねーよ」
「わかるわけないよ。あたしは荒ちゃんじゃないもん」
どんどんどんどん２人が望んでいない言葉達が溢れ出す。
「なんか麻帆と話してても無駄」
違う…
「あたしだって。荒ちゃんと話すの、時間の無駄って感じ」
────…俺が話したいことは違うのに…上手く伝わらない。
