俺はハッとして永松を見た。
「シゲさんはいつも俺の不器用な球を取ってくれた。どんな球でも『大丈夫だ』って声を掛けてくれた」
シゲさんの姿が思い浮かぶ。そして永松は続けた。
「俺はパートナー(シゲさん)を信じる。だから、明日からも普通に練習に参加する」
永松はどうしてそんなに冷静なんだ?俺は…言葉に出来ないくらい悲しいのに。
「荒嶋もいつまでもうじうじすんなよ」
なぜだかわからないが…カチンときてしまった。
「『シゲさん、シゲさん』ってお前はシゲさんのペットの気か?」
「ペットじゃねぇ。シゲさんは大切な先輩なんだよっ」
「だったらなんで信じないんだよ」
永松がいつもより声を荒げた。
「シゲさんが大切な先輩なら、どうして目覚めるって信じないんだよ」


