大好きな君にエールを






あとでシゲさんに飲み物を渡そうと心に定めた。


「チェンジッ!」


シゲさんは三振という結果で終わった。悔しそうに歯を食い縛るシゲさんに飲み物を渡した。悔しそうに笑うシゲさんは見たくなかった。



「荒嶋…少し練習しておけ」



シゲさん達が守備についた頃、監督から思いもよらない言葉が発せられ、俺は固まった。


「聞こえないのか?」


「…い、いえっ。でも…」


「気づいてるだろ、荒嶋は」


監督の言っている意味がわからなかった。だってシゲさんは元気じゃないか。なんで俺を準備させるようなこと…



「さっきのは、水分が欲しいってことじゃないくらい」


監督の言葉と同時に相手バッターがボールを打った音が聞こえた。