「荒嶋、ちょっといいか?」
球場から帰った時シゲさんから声をかけられ、OKを出した。
────…
「悪いな、試合の後なのに」
シゲさんと近くの河原に来た。
「いえっ。シゲさんこそ疲れているはずなのに…」
「俺は大丈夫だっ、ほら!」
とピースサインをしながらはにかむシゲさん。その笑顔には今日の試合で焼けた跡があった。
「んー…荒嶋ぁ?」
「は、はい?」
「…お前がキャッチャーやれって言われたら、代わりに引き受けてくれるか?」
な…にを言ってるのかわからなかった。シゲさんがそんなこと言うなんて。
「…シゲさん?」
「やっぱさ…思い出すんだよ、1年前を。俺がキャッチャーで負けた試合を」


