「あ……荒ちゃ……」
麻帆は口を一の字にして、俺が差し出したモノを取った。
俺は麻帆に、小さな四つ葉のクローバーが付いたのストラップを渡した。正直、女の好みなんてわかんなかった。
だから、四つ葉のクローバーなら、まだ大丈夫なんじゃないかなって思った。それに、幸せを掴めそうな気がしたんだ。
「それともう1つ」
そう言って、もう1つのプレゼントを麻帆の手のひらにのせた。
「これって……黒ゴムだよね?」
麻帆は首を傾げて俺を見た。
「そ。黒ゴムだよ」
俺が麻帆にあげたもう1つのプレゼントは、小さなハートが2つ付いている黒ゴムだった。


