「本当すごいから……羨ましいよ」
荒ちゃんがポツリと呟いた。
「俺は……まだまだだ。今はまだ、永松の背中しか見えていない。だから頑張るよ、永松の隣に立てるように。永松のボールを取れるように」
荒ちゃんがミットをかぶって構えているところに、゙永松くん゙がボールを投げ込む姿が目に浮かぶ。
「大丈夫。いつか実現するよ。荒ちゃんならきっとできる!」
あたしは荒ちゃんを信じてる。
荒ちゃんが甲子園という舞台で、永松くんのボールを受ける姿を。
そのためにあたしはエールを送り続けるよ。
真っ直ぐな荒ちゃんに、頑張ってる荒ちゃんに、
幸せが訪れるように───……


