「なんで龍ヶ崎なんか受けちゃったんだろう……」



呟いて、紺色の制服を見つめる。



胸ポケットについている紋章は龍の絵で、スカートの裾辺りには赤い線が横に一本入っている。



「はぁ……」



ため息をついて、今日からここの生徒なんだと思うと涙が滲んだ。



雅紀君と同じ学校に行くために私がした事、それは――。



「亜美! いつまで寝てるの? 入学式に遅刻なんかしたら先輩に目ぇ付けられるよ!?」



一階からお母さんの怒鳴り声が聞こえてくる。



うぅ……わかってるよ……。



そうなんです。



私が滑り止めで受けた龍ヶ崎高校。



そこは全国的にも有名な不良高なんだ――。