私には、ファンとして胸を張っている子たちのほうがよっぽど彼女として近い存在に思えていた。



そして、中学3年の春――。



『亜美、同じクラスじゃん! まじラッキー!』



そう言って、ガッツポーズをする雅紀君を、今でも鮮明に思い出せる。



『……え?』



『あ……えっと……な、なんでもない』



顔を真っ赤にして、プイッとそっぽを向いてしまう雅紀君。



だけど、その手はしっかりと私の右手を握ってくれていて……この時初めて、期待していいのかな? って、思ったんだ。



それからお互いに意識しはじめて、数ヵ月後。



私と雅紀君は付き合い始めた。



どちらから、というワケじゃなくて、自然とそうなっていった感じだ。



なにをするにも、どこにいくにも、常に一緒だった私たち。