短くうなづき、先輩についていく私。



別に、悪い事をしているワケじゃないんだ。



堂々と通り過ぎればいいだけのこと。



意識するから、怖いんだ。



大丈夫、大丈夫。



自分にそう言い聞かせて何度か深呼吸を繰り返し……そして――。



通り過ぎる瞬間、雅紀君と目が合った。



一方的に私を責め立てているように見えるのは、自分の被害妄想。



だけど……確かに、笑った。