「ま、まぁ大丈夫だって。な?」



彼氏の雅紀君が長身な体をくの字に折り曲げて背の低い私を見る。



「う、うん」



ニコッと無理な笑顔で返事をする私。



受験番号1204番。



「ここ、雅紀君の志望校だもんね。最初から無理なのわかってたし」



春の風は、私には吹かなかった。



「亜美……」



「大丈夫大丈夫! 滑り止め受けたし、高校が違うだけで私たちの関係が壊れるわけじゃないし」



――大丈夫――。