それからも生徒たちのざわめきは消えず、一生懸命話しているステージ上の先生たちの声はほとんど聞こえてこない。 「ねぇ、知ってる?」 そんな時、ナナミが私に耳打ちをしてきた。 「なにを?」 「この学校の3年に、伝説の男がいるって話」 「伝説の……?」