学校を飛び出して来たものの、事務所の場所は聞いたのに…場所が分からなかった。 「迷っ…た?」 ぼんやりと辺りをウロウロとしていたら、大きなビルの前で見覚えのある顔を見た。 「水月先輩!」 急いで駆け寄ると水月先輩は驚いた顔であたしを見ていた。 「事務所の場所って…」 そう続けるといきなり水月先輩は大爆笑して、目の前のビルを指差す。 「こ…こだよ…っ…アハハッ」 いかにあたしが方向音痴なのか分かった気がする。何時もは余り迷わないのに…何故か調子が狂う。