「そーいや洋介、お前…野球部の朝練は?」



「ちゃんと行ったよ。どっかの誰かと一緒にすんな。」



「はいはーい、小坂先生。」

悠は真剣な顔で俺を見つめながら、軽く手を挙げた。


「1年1組西本悠。特技はズル休みです。」


一瞬の静寂のあと、互いに思わず含み笑いがこぼれる。



これも悠なりの慰めか…。

今は、その小さな優しさがたまらなくうれしい。