「せんぱーいっっっ!!」

廊下に響き渡る男の子の声。

授業の予習をしている私だけどついつい廊下の方をチラチラと見てしまう。

だってしょうがないじゃないか。
自分の席は廊下側の端っこだから廊下を覗こうと思えば直ぐに出来るし、
それにー…

教室から見えたきみの笑顔を見たとき思わずため息をしてしまった。

きみがその満面の笑顔を見せるのはいつも先輩だけなんだね。
心の中でそう思うと苦笑いしか出来ない。

きみの笑顔が私に向いたらいいのに。
なんて思ってるなんて思いもしないよね。
まず、私の存在を知っているのかどうか…
そう思って少しまた苦笑いをして、私は再び予習に取り掛かった。