目が覚めると。

桐谷慎の腕の中にいた。






「あ、気がついた?」



と。

桐谷慎はニッコリ微笑んで、私のオデコにチュッと1つキスを落とした。





「おはよう、高宮。」






そう言って。

桐谷慎は私の体をギュッと優しく抱きしめる。







彼の人肌が心地よくて。

耳元で感じる彼の吐息が愛しくて。




彼に抱きしめられるとそれだけで幸せな気持ちになる。


こんな場所があるなんて知らなかった。





裸で抱き合う心地よさ。

裸で抱き合うことが自然に思える人。

こうなることが運命のようで。






変だけど。

すごく変だけど




桐谷慎のこの腕の中が。

私が探してさ迷ってた、還るべき場所。




最後の楽園のように思えた。