―バタン。





数時間前に入ったハズの桐谷慎の部屋は。

昨日と変わらず生活感のないモノトーンの部屋だった。


今日の朝、散々食べ散らかしたハズの食器や鍋はキレイに片づけられていて。




あの朝の秘密のパーティーが嘘のように思えた。








「さて…と。
ここまできたらヤることは一つだけど…、覚悟はい~い??」








リビングを抜け、あっさりと連れてこられたベッドルームで。

私をベッドにそっと寝かせると、確かめるように。

桐谷慎はそっと私に問いかけた。








「ふふっ。今さら?」


「うん。キミには寸止めという前科があるからね~。
ちゃんと確かめとかないと。」





と、桐谷慎は柔らかな表情で私に笑いかける。