「じゃ。理央ちゃん、高宮借りるね?」


「はいはい、勝手にしてくださいな。」





理央はダイニングチェアに座ったまま。




呆れたように

だけど嬉しそうに私たちを見て笑う。





「おめでとう、伊織。
あたしは…伊織の真剣な恋が見られただけで満足かな♪」




「理央……。」






ぶっきらぼうだし、口は悪いけど。

理央が本当に心から私を祝福してくれる気持ちが痛いくらいに伝わってきて。




私の胸はジーンと熱くなる。





な、の、に。







クリクリの目をバチンとつぶって。
桐谷慎にウィンクをお見舞いすると。





「とりあえず月曜日には返して下さいね。
月曜日のゴミ当番は伊織なんで。」





と、現実味たっぷりの夢も希望もないことを言い始めた。